油谷小ブログ

油谷小学校の子どもたちの成長の足跡を紹介します。

「海の命」ノートより④

6年生との国語授業は、実に面白いです。子どもたちは、明らかに深い意見を出そうと一生懸命考え、悩み、頑張っています。

「先生、この問題難しい」

そんなことを言う子どもが出てきました。物語の深い世界に入っている証拠です😊

本日の問いです。

≪本文より≫

与吉じいさは、毎日タイを20ぴきとると(もう)道具を片づけた。

問題 ( )の中はいらないのではないか?

Ⓐいらない

Ⓑいる

 

〇私は、Ⓑの方がいいと思います。理由は、「もう」があると、与吉じいさは魚を少ししかとっていないということと「海のめぐみ」を大切にしているということが分かるからです。

「もう」という一言に「海のめぐみ」を大切にする思いが隠されていることに気付いている点が感心です。

〇私は、Ⓑいると思います。「もう」があることで、与吉じいさは、もっとたくさん魚をつれる、すごい漁師だということが分かると思います。与吉じいさは、この海でずっと生きていくために20ぴきつるともう道具とかを片づけたんだと思います。

「もう」の言葉がすごい漁師につながるとは!また、ずっとこの海で生きていくことを強める意味でも大切ということですね。

〇ⒶとⒷ二つ考えました。

Ⓐのわけは、50センチもあるタイを20ぴきつったら、かなり多いと思うから。

Ⓑのわけは、もっととれるのにタイをとらなくて、千びきに1ぴきでいいと言っている。海の資源は無尽蔵と昔から思われていたかもしれないけど。

※敢えて二つのわけを考えている点に感心です。豊かだった昔の海。確かに永遠に続く資源だと思った時期はあったのではないでしょうか?じいさのメッセージもつかんでいます。

〇Ⓑです。わけは、「毎日タイを20ぴきとると」のところには、「20ぴき」とは書いていないということは、20ぴきを多いと思っていないんだと思います。2万びきに20ぴきを釣っているから与吉じいさの「千びきに一ぴきでいいんだ~」が引き立ち、与吉じいさの生き方がイメージ付けられるからです。

※「も」一つの語ですが、それがもしあったら?と考えて、ある場合と無い場合を比べる。そうして、受ける印象や意味を考察することは非常に難しいことです。それを理由としてつくるれることがすごいです。

〇Ⓑです、後の文に「与吉じいさは、船に乗ってこそ来たが、作業はほとんど太一がやるようになっていた。」と書いてあって、この文から、もう作業がほぼできなくなったということが分かりました。体力的に難しいと思います。

※この意見にみんな大笑いです。まさか、この後の与吉じいさの死を予見する言葉が「もう」だなんて!こんな解釈は、初めて聞きました。子どもの発想は実に面白いです。